センターだより

第12回修了式

2022/06/13

 6月9日に、2年ぶりに例年と同じような形で、第12回の修了式を行うことができました。今年の修了生は全部で6名です。みなさん、おめでとうございます!

 

 いただいたメッセージ、祝辞の一部を紹介したいと思います。

小林弘之・駐モンゴル日本大使
 「今年で16年目となる日本法教育研究センターが、モンゴルにおける日本法教育研究の拠点として、今や多くのモンゴルの方に知られていることを誇りに思います。
 卒業生のみなさんは、今日までの5年間、通常のモンゴル国立大学法学部の授業に加えて、日本語と日本法を学び、高い水準の日本語力、日本法についての知識・理解を高められました。日本語スピーチコンテストや 国際交渉コンペティションでも優秀な成績を収めてこられたと聞いています。輝かしい成功の裏には、人には見えない努力があり、特にこの2年間は感染症拡大の影響で、苦しいことや不安に思うこともたくさんあったことでしょう。しかし、それを乗り越えて、本日の卒業式を迎えられたみなさんの表情からは、自信と希望が見受けられます。どうぞこの経験を糧として、大きく羽ばたいてください。
 先日、私はエルデネット市に視察に行きました。帰りの列車の中で代表団の1人の人が病気になられ、ウランバートル駅に着いた後、すぐに救急車で病院に運ぶことになりました。モンゴル語の通訳が必要なので、同行していたAKB法律事務所のシュレンツェツェグさんがボランティアで救急車に乗って、一緒に病院に行くことになりました。救急車が駅から出ようとしたところ、自動車事故があり、男の人たちが議論をして、救急車がいくらサイレンを鳴らしても出られなかったのです。そこで、シュレンツェツェグさんが救急車から降りて行って、「どきなさい。救急車が出るのだから、こんな小さな事故で議論している場合じゃあないでしょう。早く道を開けなさい。」と言ったのです。そこで、モンゴルの交通規則では、事故のとき車を動かしてはいけないのかもしれませんが、人の命に関わることだと理解して、男の人たちは道を開けてくれました。私が感動したのは、シュレンツェツェグさんがここの卒業生であったということです。みなさんも法律家として知識を高めていただくと同時に、このような人を助けるという本当の気持ちで、物事に対処していけるような人になってほしいと願っています。」

アマルサナー・モンゴル国立大学法学部長
 「今年はモンゴル国立大学創立80周年、そしてモンゴルと日本の外交関係樹立50周年の記念すべき年にあたります。この50年にわたりまして、日本とモンゴルの間には、非常に高度なレベルの友好関係が築かれてまいりました。とりわけ1990年の民主化後、日本はモンゴルにとって最大の援助国、そして最良のパートナー国として、親善協力関係を築いてきました。日本とモンゴルの親善協力関係の一つのシンボルといえる教育機関が、名古屋大学のモンゴル国立大学法学部内に設置されている日本法教育研究センターであります。16年にわたって両大学の教授の方々をはじめ教職員、関係機関などの協力関係が推進されてきました。
 自国にいながら、外国の文化、その中でも外国の法律を勉強するということは大きな挑戦でもあり、大きな勉学でもあります。そして、6名の修了生は、この貴重な機会となる勉学の結果、本日の修了式を迎えています。
 みなさんは自国の法律と法制度だけでなく、外国の法律や法制度、概念や主張、異なる事柄やルールが存在することを学ぶことができたと思っています。5年間にわたり、みなさんは多大な努力をしてきたと思います。心よりのお祝いの言葉を申し上げたいと思います。みなさんの今後の進路や法律分野における活躍の道がさらに輝きますように。」

矢野昌浩・名古屋大学大学院法学研究科長
 「第12期生の皆さんは、日本語と日本法を同時に学習するという、名古屋大学が独自に開発したカリキュラムにより教育を受け、大変優秀な成績を修められました。6名の方が初志を貫徹されたことに敬意を表します。
 皆さんは、大変高度な日本語能力を修得されたと聞いています。様々なコンペティションに参加し優秀な成績を修められました。さらに、日本法を学習する基礎を学び、日本法に関する論文を書き、発表することにも挑戦されてきました。
 その結果、名古屋大学大学院法学研究科、あるいは金沢大学大学院法学研究科に進学される方がいらっしゃると聞いています。また現在、就職活動中の方もいらっしゃるとのことですが、かならずや良い結果をだされるものと思います。
 日本法教育研究センターが、モンゴルと日本の発展を担う人材を輩出できていることを、大変誇りに思います。
 名古屋大学は、日本法教育研究センターとともに、これからも、修了生の皆さんを応援していきたいと思っております。これからも希望を持って前進し続けてください。」

松尾陽・日本法教育研究センター長
 「このたびは修了おめでとうございます。
 コロナ禍前の2019年6月にモンゴルセンターを訪問させていただきましたが、その際、センターの学生の活気ある姿に非常に心を打たれました。
 そして、2020年に入って、コロナ禍で世界が揺れ動く中、オンラインを通じてまじめに勉強されておられる皆さんの姿は、日本にも十分伝わってきております。
 そのようなみなさんが今日の日に無事、修了を迎えられたこと、とても喜ばしく思います。 
 先達が形成し、発展させてきたこの事業を今後とも受け継ぎ、さらなる発展につなげていけるよう、日本法教育研究センター一同、精一杯努力していきたいと思います。」

テムーレン(在校生による送辞)
 「卒業生のみなさま、ご卒業おめでとうございます。
 これまで4年間、先輩方には、いつもやさしく接してくださり、本当にお世話になりました。1年生からずっと、先輩方が頑張っている様子を見ていました。朝から夜まで、図書館で勉強していました。先輩方の様子を見て、本当の「頑張る」ということの意味を感じて、私も将来の夢のために頑張ろうと思っていました。
 でもこれだけが私たちの学んだことではありません。私たちはこの大学に入ったばかりで、日本語が全然わからないとき、いつも先輩方に宿題とか、いろいろなことを助けてもらいました。この宿題をどうやってするのかとか、この言葉を日本語で何と言うのかとか、いろいろな質問を私たちがしても、やさしく答えてくれました。自分たちに関係がないのに、心をこめて助けてくれたことに感動していました。
 いつも笑顔で相手してくれたツァサンゴー先輩、いつもやさしく助けてくれたエンフチョローン先輩、真面目でつつましいホラン先輩、賢くて頭の回転が速いエルヘー先輩、いつもおだやかでなごやかなアズザヤ先輩、いつもやる気があって、勢いがあるソヨル先輩。みなさん全員、すばらしい成果を挙げました。
 私たちの先輩の自慢のある、モンゴル国立大学法学部日本法教育研究センターの第12期の卒業生です。
 みなさんは、これから自分なりの人生を歩んでいきます。これからすばらしい将来が待っています。卒業生のみなさんのこれからのご成功とともに、将来のご活躍を心からお祈り申し上げます。
 最後にもう1度、ご卒業おめでとうございます。」

ソヨル・エルデネ(修了生による答辞)
 「ご来賓のみなさま、修了生のご友人およびご家族のみなさま、モンゴルセンターの教職員のみなさま、後輩のみなさま、こんにちは。本日私たちの修了式にお越しくださり、心よりお礼を申し上げます。
 小林大使、アマルサナー先生、すばらしい祝辞ありがとうございました。
 私は本日、名古屋大学日本法教育研究センター2022年度修了生を代表し、今までお力をお貸しくださったみなさまに、謝辞を述べるとともに、お別れの言葉を申し上げるという大役を仰せつかりました。光栄の至りと感謝しております。
 まず、4年生のテムーレンさん、ツェースレンさん、ありがとうございました。後輩からの励ましの言葉を聞いて、胸がとてもいっぱいになりました。
 では最初に、私たちにとっては何よりも、センターの学業生活の上で、一番の主役になった先生方、いつも応援してくださった日本法センターの皆様に、感謝の意を表したく存じます。とは言っても感謝の気持ちは、言葉では言い尽くせないと思っています。また、このようなすばらしい方々に出会える機会を作ってくれた名古屋大学にも感謝を申し上げたいと思っています。私は、日本法センターの最初の授業に出席し、ひらがなを覚え始めたときのことを昨日の出来事のように思い出しています。日本語の文字もわからなかった私たちをN1、2まで教育してくださったり、日本法の知識も与えてくださったりしました。しかし、日本語と日本法だけじゃなくて、コミュニケーションの取り方、効果的な時間管理、失敗の乗り越え方、そして、新しいことを挑戦してみたいという志向、社会人になるための必要なつくりを育ててくれました。この5年間で、数多くの先生方のアドバイスや時には価値のある批判に助けられてきました。先生方は勉強を教えてくれる教師でいながら、困ったときに助けてくれる家族のような存在でもありました。
 本日、私たちは誇りある修了生として、この場に立っているのは、先生方のおかげにほかならないと思っています。本日、私たちの人生の一つの素晴らしい旅が終わり、次の旅に出る時間がすぐそこに来ています。これからは、先生方が与えてくださった能力を生かして、この社会に役に立っていきたいと思っています。重ねて感謝しております。
 そして、修了生のみなさん、おめでとうございます。みんな、本当に頑張りました。おつかれさまです。5年前に私たちは、一つの目的、夢の下で手をつないでこの旅をはじめました。そのときからもう5年間、本当にあっという間でした。でも、数えきれない思い出を私たちは一緒に作りました。私たちは一緒に頑張ったり、苦労したり、泣いたり、笑ったり、徹夜したり、ときに喧嘩したり、ときに競争したり、ときに協力したりしました。本当に忘れられない思い出をたくさん作りました。もちろん勉強も大切ですが、人生の意味で一番大切なのは思い出を作ることだと私は思います。皆さんと作ったこの5年間の思い出は私の宝物です。これから、みんなそれぞれの人生の道を歩んでいくだろうと思いますが、一緒に作った思い出を心の奥に、一所に問題を乗り越えていった瞬間を思い出しながら、新しい旅と新しい未来を楽しんでください。もちろんこれからも多くの困難にぶつかると思いますが、今まで頑張ってきた皆さんの姿を見た私は、『みんなならきっとできるはずです』と自信を持って言えます。
 最期に、後輩のみなさん、私たちが日本法センターに入るとき、先輩方がすでに『日本法センターの学生は優秀だ』という良いイメージを作ってくれていました。その名誉を守るために、先輩方のように優秀でいたいという思いはときにやる気を与えてくれました。また、行き詰ったときは先輩方に相談し、その教えを支えにしていただいています。修了しても、同じ日本法センター出身という絆を大事にして、日本法センターから受けた恩を後輩のみなさんに少しでも返せたらいいなと思っています。私たちも先輩方のように優秀な社会人でいるために頑張りますから、みなさんも引き続き頑張ってください。
 最後にもう1度、一緒に頑張ってきたクラスのみなさん、いつもご指導してくださった先生方、お世話になったビャンバさん、ご来賓の皆様、両親や家族のみんな、心から感謝を申し上げます。これからもみなさまの信頼を失うことなく、一生懸命頑張っていきます。有難うございました。」

スピーチコンテスト2021

2021/11/20

 11月7日に、日本大使館主催の学校対抗日本語スピーチコンテストが「学びの力」というテーマで開かれ、4年生のガンゾルさんとツェースレンさんの2名が大学の部に出場しました。

 以下のリンクから動画を見ることができますので、ご覧ください。
https://fb.watch/99wqI5RU0F/

2:35:00からガンゾルさん、
2:53:20からツェースレンさんのスピーチを見ることができます。

 そして、ツェースレンさんのスピーチが見事に優勝に輝きました。おめでとうございます!

 主催者の許可を得て、以下にスピーチの原稿を掲載します。

 

「学びの力」

 私の毎日は、部屋からも出ずにひたすら勉強をすることです。つまらないように聞こえるかもしれませんが、これは事実です。それで、いつもこんなふうに言われます。「あなたは勉強が大好きだね」と。実は、そうではありません。 私は勉強は好きではあません。学ぶのが好きなのです。なぜなら、本を読んで内容を覚えたり、試験を受けてよい点を取ったりする勉強は大変ですが、自分で経験したり、大切に思えることから学んだりしたことはずっと心に残るからです。そこで、なぜこのように思うようになったのか、今でも覚えている私の学びの経験について、紹介します。
 小学一年生の時、「私は陸上透技のサークルに入りました。ふつう、このサークルでの運動は難しいので、十歳以上の子どもが入れることになっていました。しかし、兄がこのサークルのメンバーだったので、一緒に行きたいと言って、七歳の私も入れることになりました。それで、毎朝走ってから準備運動をしそれから、レースをしていました。
 ある日、準備運動をしているうちに、怪我をしてしまいました。あまりの痛みに歩くこともできませんでした。しかし、それからレースに出ないといけませんでした。しかも、私にとってはこのレースは重要なものでした。しかも、七歳でも自分ができるということを見せたかったのです。そこで、怪我をした足で走り始めました。しかし、もう一方のランナーとの間の距離は最初から大きく、七歳の自分は心細く感じました。その瞬間、サークルの他のメンバーの「がんばれ!」、「できるよ!」と私を応援している声が聞こえました。私にとっては、何も見えない暗闇の中みたいな止まらない痛みだったのですが、この応援はその暗闇の中の光のように聞こえました。おかげで、ゴールまで走りぬくことができました。
 でも、勝つことはできませんでした。悔しかったです。しかし、ゴールしたとたんに、コーチが私に一つのことを言ってくれました。「本当によくできました。最初から最後まで止まらないで走りぬきました。こんなことは大人でもできませんよ。素晴らしい」と。このような温かい言葉、雰囲気を期待していませんでした。この時、レースには負けけましたが、実際には勝ったのは、私だと思います。なぜなら、その後の人生でずっと忘れられない新しい学びを得たのは対戦相手ではなく私で、その点において、勝ち負けはもうあまり重要ではなかったからです。
 この経験から、私は自分が始めたことの結果を勝ち負けではなく、どのように見るかを学びました。つまり、自分がした何かの結果には友情が関係していること、それに気づく新しい学び、そして学びによる個人の成長などのもっと大切なものが存在するのです。この世界には競争の勝ち負けだけでなく、まずは無理に見えても新しいチャレンジをするべきであること、そこから学べる教訓がたくさんあるということに気づきました。そして、結果がどうであろうと、最初から最後まで諦めずに生きて行くのが重要なのです。
 私の夢は脚本や作曲など全部できる映像作家になることです。一つの作品を通して多くの人に感動を与えることは素晴らしく思われます。そこで、七歳の時の経験から得た学びは、今、二十歳の私に夢をかなえるための旅の途中で、どんな困難があっても止まらずに毎日を一生懸命生きて行く力をくれました。ですから、どんなにつまらないように見えても、私は毎日家で勉強しています。そうすることに大きな意味があるということを今の私は自信を持って言えるからです。夢を叶えるその日まで、止まらずに走り続けます。

 

第11回修了式

2021/09/22

 9月19日に、6月から延期してきた修了式を行うことができました。修了証を受け取ったのは、昨年よりもさらに多い12名です。みなさん、本当におめでとうございます!


 いただいたメッセージ、祝辞の一部を紹介したいと思います。

増田知子・法学研究科長 
 「皆さんは、大変高度な日本語能力を修得されたと聞いています。日本語能力試験のN2に9名の方が、N1に3名の方が合格し、また、様々なコンペティションに参加し優秀な成績を修められました。さらに、日本法を学習する基礎を学び、日本法に関する論文を書き、発表することにも挑戦されてきました。
 その結果、名古屋大学大学院法学研究科をはじめとする日本の大学院に進学される方、弁護士事務所に就職される方、アメリカに留学される方、そして、これからも留学を目指して勉強を続ける方がいらっしゃると聞いています。
 このように日本法教育研究センターが、モンゴルと日本の発展を担う人材を輩出できていることを、大変誇りに思います。
 ところで、2019年冬から現在に至るまで、COVID-19 により、学生生活が大きく制限され続けたことは、大変残念なことでした。昨年の夏季セミナーについては、COVID-19 の感染拡大のため、名古屋に来ることができず、大変残念な思いをされたことと思います。私も皆さんにお会いすることができず、大変残念でした。
 しかし、センターの先生方と学生の皆さんが、より一層の努力と工夫を重ねてこられ、この困難な状況を乗り越え、本日の修了式を迎えたたことは、素晴らしいことだと思います。」

藤本亮・CJLセンター長
 「みなさんは5年間の大変厳しい勉強を無事に終えられて本日のめでたい日を迎えました。
  大学の勉強だけでも大変なところ、日本法教育研究センターの大変厳しい勉強を頑張ってこなしました。しかも昨年からのコロナウイルス感染の影響でなかなか大学にも来れず、大変な苦労をして勉強されてきました。
 まずはこのことについて自分自身をたくさん褒めてあげてください。これからの人生で苦しいことがあったら、日本語教育研究センターと大学で頑張って勉強したこと思い出して、自分に自信を取り戻してください。
 そして、ここまで皆さんの人生と勉強を支えてきてくれた皆さんのご家族や友人、日本法教育研究センターと大学の先生たち、先輩たち、同級生に心から感謝しましょう。皆さんは一人で生きていくことはできません。これからも皆さんはたくさんの人にお世話になることと思います。その感謝の気持ちを忘れずにいてください。それとともに皆さんがこれから生きていく中で、条件が許す限り、周りの人の支えになるように努めて下さい。皆さんが人生の先輩たちからしてもらったこと皆さんの後輩たちにしてあげてください。そのようにして私たち人類は経験と知恵を蓄積してきたのです。」

ソヨル・エルデネ(在校生による送辞)
 「卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
 おめでとうというより、おつかれさまでした、ですね。モンゴル国立大学法学部に入学して、日本法センターの試験を受けた瞬間からはじまった『自分との戦い』が今日やっと終了しました。みなさんは毎日頑張って、毎日自分自身と戦っていましたね。いま、その長い旅が一旦終わって、深呼吸して、汗を拭いている時期だと思います。モンゴルと日本の法律を同時に学びながら、日本語を学ぶことは、簡単なことだったと決して思いません。会うたびに睡眠不足のせいで、抜けて薄くなっている髪の毛の話をしていましたね。毎日の小テスト、中間・期末試験、スピーチコンテスト、レポート、壁新聞、学年論文、研究計画、バヤルサイハン先生の法学理論の口述試験などのみなさんを徹夜に追い込んだ出来事がさんざんあったと知っています。ですから、みなさん、おつかれさまでした。私にとってみなさんは一番優秀な先輩であり、一番見本になってくれたクラスメートであり、大好きな友人でもあります。これからみなさんは成功にあふれた、笑い声で彩られた、本当に輝かしい道を歩んでゆくと思います。ですが、また新たな自分との戦いが始まるのではないかと思います。ゲームで言うと、新たレベルに入りました。日本法センターで学んだこと、先生方に教えていただいたことを、その知識を武器のように使って、戦い続けてください。卒業生のみなさんの今後のご健康とともにおよび将来のご活躍を心からお祈り申し上げます。最後にもう一度、おめでとうございます。」

ノロブスレン(修了生による答辞)
 「最初に、いつも応援してくださった日本法センターの先生方に感謝の意を表したいと思っています。ここにいらっしゃる先生方、ZOOMでご参加の先生方、本当に有難うございました。また、このような素晴らしい方々に出会える機会を与えてくださった名古屋大学にも感謝を申し上げたく存じます。この5年間は本当にあっという間でした。人生でも最も楽しい時間でした。この5年間で日本語、日本法の勉強に限らず、日本法センターのみなさんと家族のようになり、みなでたくさんの楽しい思い出を作ることができました。これも私たちにとって一生忘れられない思い出です。そして、大事な人生の勉強にもなりました。
 私たちの学年はセンターが設立されて以来、最も人数が多かった学年でした。大勢のクラスメートとの大学での思い出がよみがえります。授業が終わっても先生方が帰るまで、鍵を借りて教室に残って、宿題やテストの準備をしたり、土曜日や日曜日でも[日本語]能力試験の準備をしたり、みんなで議論したり、教室でご飯を作ったり、出し物の準備をしたり、映画会をしたりもしましたね。この大学時代の思い出は、大学やクラスメートに対する何にも代えがたい、強い絆を作り出してくれました。
 学生生活の最後の2年間は、新型コロナウイルスにより、遠隔授業の形で勉強することにもなりました。毎日、普通だと思って、当たり前にしていたことがどのくらい価値のあることだったかを骨身にしみて感じました。もしその2年間を大学で繰り返すことができていれば、より楽しい生活を送れていただろうと後悔するときもあります。今のクラスメートの12人のうち、4人が奨学金を受け、大学院に留学することが決まっています。クラスメートが多いだけに、切磋琢磨して皆で競い合い、お互いに力を伸ばしあってきた成果の一つだと誇りに思っています。しかし、これは私たちだけではできることではありませんでした。最初は日本語の一切がわからなかった私たちをここまで育て導いてくださった、ここにお越しくださっているみなさまのおかげです。お礼の言葉を言っても、言い尽くせません。
 最後に、修了生として、ここに来られなかったクラスメートについて話させてください。私たちは1年生のとき16人でしたが、今は12人、1人は今5年生ですが、残りはセンターを辞めました。しかし、私たちにとって、彼らは間違いなくみんな、クラスメートです。一緒にこの感謝と喜びを分かち合いたいと思っています。
 それではクラスメートのみなさん、おめでとうございます。
 これまでよくがんばりましたね。これからはみんなそれぞれ、人生の道を歩んでいくだろうと思っていますが、一緒に作った思い出を心の海に、一緒に問題を乗り越えていった瞬間を思い出しながら、新しい旅を、新しい未来を楽しんでください。もちろんこれからも多くの困難にぶつかるだろうと思いますが、今まで頑張ってきたみなさんなら、きっとできるはずだと信じています。
 最後にもう一度、一緒に頑張ってきたクラスのみなさん、いつもご指導くださった先生方、お世話になったビャンバさん、ご列席のみなさま、心から感謝を申し上げます。これからも一生懸命頑張っていきます。有難うございました。」

アマルサナー法学部長
 「私も日本に留学した経験があるのですが、日本語は非常に難しい、努力がたくさん必要になる言葉です。みなさんこの5年間よく勉強し、頑張ったことは将来にもつながると信じています。よくがんばりましたね、ということと、おめでとうございますということを伝えたいと思います。」

20Dec2020 第19回大学対抗交渉コンペティション

2021/06/02

 11月14日・15日に開催された「第19回大学対抗交渉コンペティション(INC)」において、モンゴル国立大学法学部内日本法教育研究センター(CJLM)の学生たちが「日本語交渉の部」で堂々第1位の成績を収め、特別賞を受賞しました。
 INCは、住友グループの後援により、2003年から上智大学にて開催されている模擬仲裁・模擬交渉の国際大会です。
 新型コロナウイルスの影響で、今回はZOOMでの開催となりましたが、国内外の有名大学25校(合計52チーム)が参加しました。モンゴル国立大学からは英語チーム2チーム、日本語チーム1チームの合計15名が出場しました。日本語チームの学生は全員がCJLMに所属しており、また英語チームにもCJLMから3名の学生が参加しました。
 問題文は仲裁・交渉あわせて合計50ページ以上にもわたる詳細なもので、参加者は約2か月前から仲裁の準備書面、反論書および交渉の説明資料の作成、プレゼンテーションの練習など、多くの時間を使って準備してきました。東京大学留学中にこの大会に出場した経験のあるO.ノミンチメグ弁護士と、法学担当特任講師が主に指導に当たりました。
 モンゴル国立大学は2017年からこの大会に参加しており、CJLMの学生からなる日本語チームが参加した2018年には総合第7位入賞を果たしました。今回は、日本の強豪校を下し、はじめてのトロフィーの獲得となりました。

24Nov2019 第18回大学対抗交渉コンペティション

2020/12/18

 11月23日および24日には、上智大学にて模擬仲裁・交渉の国際的な大会である大学対抗交渉コンペティションが開催され、モンゴル国立大学法部から英語チームと日本語チーム合計8名の学生が出場しました。日本語チームは全員がセンターの学生(5年生1名、4年生3名)で、10月から授業への出席を免除され、準備のためにたくさんの時間をかけ、努力してきました。20校以上の有名大学が参加する中、今年度は惜しくも総合で第8位となり入賞を逃しましたが、「何事も経験」、来年度の大会や今後の人生に今回の経験を生かしていってもらえればと思っています。

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