センターだより
05Oct2022 モンゴル国立大学80周年記念式典
2022/11/28
10月5日にモンゴル国立大学創立80周年記念式典が開催され、名古屋大学より村上正子CALEセンター長、松尾陽CJLセンター長、松田貴文CALE副センター長、横溝大教授、アジアサテライトキャンパス学院山内章学院長が来訪されました。
国会議事堂内のホールにて式典が行われ、学長をはじめとする関係者のスピーチや管弦楽団の演奏が行われ、80周年記念動画が流されました。式典終了後、チンギス・ハーン象の前で記念撮影が行われました。
また、夜は約800名の教員および来賓を集めたパーティーが行われ、モンゴルで有名な歌手がステージ上で歌い、ステージの前ではダンスを踊る人も多くいました。
17Sep2022 新潟賞日本語スピーチコンテスト(第4回)
2022/11/11
9月17日に、新潟県国際交流協会主催「新潟賞」日本語スピーチコンテストが4年ぶりに開かれ、3年生のアナルさんが出場して、最優秀賞(3名)に選ばれました。最優秀賞の受賞者は、副賞として、来年の春、桜の花が咲く時期に新潟県に招待されるとのことです。
アナルさん、おめでとう!
テーマは「日本との友好交流をどう進めるか」で、アナルさんが着目したのは旅行業界です。
以下、スピーチの抜粋を掲載します。
「何を中心としてモンゴルに行く日本人の数を増やせるかについて考えました。
第1に日本からモンゴルまでの航空券の値段は高いです。日本から直接モンゴルへ行く飛行機は、アエロモンゴリアと、ミアットという2つの会社しかありません。私はミアット会社で航空券の値段に関して聞きました。日本からモンゴルに来て、戻るために約13万円くらいかかるそうです。しかし、韓国からモンゴルまでの航空券の値段はその半分くらいです。また、1年でシンガポールに旅行する日本人はだいたい80万人もいて、航空券の値段は8万円くらいです。これをみると、航空券の値段が安ければ、観光客の数が増加するでしょう。
次にタクシーの数など交通サービスの問題です。例えば市バスは空港から4時間に1度しかウランバートル市に行きません。これは疲れていたお客様にとって不便です。また、公式ではないタクシーで運転することもあります。そのようなタクシーは禁止されていないのでお客様にとって危険です。ある個人に聞いたのは、非公式な車がタクシーとして人を運ぶと逮捕されています。しかしモンゴルでは、あまり逮捕されていません。お客様の満足度を上げるために、日本のサービスレベルを導入する必要があります。
私は前に、日本人とエアポート・タクシーについて話しました。彼の話によると、日本にはエアポート・タクシーが集まる特別な駐車場があります。お客様がその駐車場に行くと、安全で公式なタクシーに乗ることができます。しかしモンゴルではそのような駐車場がなくて、運転手が独自で「タクシーは必要ですか」とお客様に聞きながら、立っています。そのため、モンゴルでは特別なタクシー駐車場が必要です。
最後に私は自分でできることについて考えました。日本人の65パーセントは、モンゴルについての情報をインターネットで集めています。そのため、私はインターネットでモンゴルの田舎や伝統的な料理などの情報をインターネットで発信したら、日本人観光客の数は増加すると思います。」
日本とモンゴルの友好交流を進めるために、政治や貿易だけでは十分ではありません。国民がお互いの国を訪れることで、交流の機会も増加し、友好交流も深くなると思います。」
14May2022 スポーツ大会
2022/06/27
5月14日に2年生の主催で、3年ぶりにスポーツ大会が行われました。
1年生から5年生までと教職員を4チームに分けて、バスケットボール、障害物競走、バレーボールの3種目が行われました。
久しぶりにみんなで集まり、よい汗をかくことができたと思います。
第12回修了式
2022/06/13
6月9日に、2年ぶりに例年と同じような形で、第12回の修了式を行うことができました。今年の修了生は全部で6名です。みなさん、おめでとうございます!
いただいたメッセージ、祝辞の一部を紹介したいと思います。
小林弘之・駐モンゴル日本大使
「今年で16年目となる日本法教育研究センターが、モンゴルにおける日本法教育研究の拠点として、今や多くのモンゴルの方に知られていることを誇りに思います。
卒業生のみなさんは、今日までの5年間、通常のモンゴル国立大学法学部の授業に加えて、日本語と日本法を学び、高い水準の日本語力、日本法についての知識・理解を高められました。日本語スピーチコンテストや 国際交渉コンペティションでも優秀な成績を収めてこられたと聞いています。輝かしい成功の裏には、人には見えない努力があり、特にこの2年間は感染症拡大の影響で、苦しいことや不安に思うこともたくさんあったことでしょう。しかし、それを乗り越えて、本日の卒業式を迎えられたみなさんの表情からは、自信と希望が見受けられます。どうぞこの経験を糧として、大きく羽ばたいてください。
先日、私はエルデネット市に視察に行きました。帰りの列車の中で代表団の1人の人が病気になられ、ウランバートル駅に着いた後、すぐに救急車で病院に運ぶことになりました。モンゴル語の通訳が必要なので、同行していたAKB法律事務所のシュレンツェツェグさんがボランティアで救急車に乗って、一緒に病院に行くことになりました。救急車が駅から出ようとしたところ、自動車事故があり、男の人たちが議論をして、救急車がいくらサイレンを鳴らしても出られなかったのです。そこで、シュレンツェツェグさんが救急車から降りて行って、「どきなさい。救急車が出るのだから、こんな小さな事故で議論している場合じゃあないでしょう。早く道を開けなさい。」と言ったのです。そこで、モンゴルの交通規則では、事故のとき車を動かしてはいけないのかもしれませんが、人の命に関わることだと理解して、男の人たちは道を開けてくれました。私が感動したのは、シュレンツェツェグさんがここの卒業生であったということです。みなさんも法律家として知識を高めていただくと同時に、このような人を助けるという本当の気持ちで、物事に対処していけるような人になってほしいと願っています。」
アマルサナー・モンゴル国立大学法学部長
「今年はモンゴル国立大学創立80周年、そしてモンゴルと日本の外交関係樹立50周年の記念すべき年にあたります。この50年にわたりまして、日本とモンゴルの間には、非常に高度なレベルの友好関係が築かれてまいりました。とりわけ1990年の民主化後、日本はモンゴルにとって最大の援助国、そして最良のパートナー国として、親善協力関係を築いてきました。日本とモンゴルの親善協力関係の一つのシンボルといえる教育機関が、名古屋大学のモンゴル国立大学法学部内に設置されている日本法教育研究センターであります。16年にわたって両大学の教授の方々をはじめ教職員、関係機関などの協力関係が推進されてきました。
自国にいながら、外国の文化、その中でも外国の法律を勉強するということは大きな挑戦でもあり、大きな勉学でもあります。そして、6名の修了生は、この貴重な機会となる勉学の結果、本日の修了式を迎えています。
みなさんは自国の法律と法制度だけでなく、外国の法律や法制度、概念や主張、異なる事柄やルールが存在することを学ぶことができたと思っています。5年間にわたり、みなさんは多大な努力をしてきたと思います。心よりのお祝いの言葉を申し上げたいと思います。みなさんの今後の進路や法律分野における活躍の道がさらに輝きますように。」
矢野昌浩・名古屋大学大学院法学研究科長
「第12期生の皆さんは、日本語と日本法を同時に学習するという、名古屋大学が独自に開発したカリキュラムにより教育を受け、大変優秀な成績を修められました。6名の方が初志を貫徹されたことに敬意を表します。
皆さんは、大変高度な日本語能力を修得されたと聞いています。様々なコンペティションに参加し優秀な成績を修められました。さらに、日本法を学習する基礎を学び、日本法に関する論文を書き、発表することにも挑戦されてきました。
その結果、名古屋大学大学院法学研究科、あるいは金沢大学大学院法学研究科に進学される方がいらっしゃると聞いています。また現在、就職活動中の方もいらっしゃるとのことですが、かならずや良い結果をだされるものと思います。
日本法教育研究センターが、モンゴルと日本の発展を担う人材を輩出できていることを、大変誇りに思います。
名古屋大学は、日本法教育研究センターとともに、これからも、修了生の皆さんを応援していきたいと思っております。これからも希望を持って前進し続けてください。」
松尾陽・日本法教育研究センター長
「このたびは修了おめでとうございます。
コロナ禍前の2019年6月にモンゴルセンターを訪問させていただきましたが、その際、センターの学生の活気ある姿に非常に心を打たれました。
そして、2020年に入って、コロナ禍で世界が揺れ動く中、オンラインを通じてまじめに勉強されておられる皆さんの姿は、日本にも十分伝わってきております。
そのようなみなさんが今日の日に無事、修了を迎えられたこと、とても喜ばしく思います。
先達が形成し、発展させてきたこの事業を今後とも受け継ぎ、さらなる発展につなげていけるよう、日本法教育研究センター一同、精一杯努力していきたいと思います。」
テムーレン(在校生による送辞)
「卒業生のみなさま、ご卒業おめでとうございます。
これまで4年間、先輩方には、いつもやさしく接してくださり、本当にお世話になりました。1年生からずっと、先輩方が頑張っている様子を見ていました。朝から夜まで、図書館で勉強していました。先輩方の様子を見て、本当の「頑張る」ということの意味を感じて、私も将来の夢のために頑張ろうと思っていました。
でもこれだけが私たちの学んだことではありません。私たちはこの大学に入ったばかりで、日本語が全然わからないとき、いつも先輩方に宿題とか、いろいろなことを助けてもらいました。この宿題をどうやってするのかとか、この言葉を日本語で何と言うのかとか、いろいろな質問を私たちがしても、やさしく答えてくれました。自分たちに関係がないのに、心をこめて助けてくれたことに感動していました。
いつも笑顔で相手してくれたツァサンゴー先輩、いつもやさしく助けてくれたエンフチョローン先輩、真面目でつつましいホラン先輩、賢くて頭の回転が速いエルヘー先輩、いつもおだやかでなごやかなアズザヤ先輩、いつもやる気があって、勢いがあるソヨル先輩。みなさん全員、すばらしい成果を挙げました。
私たちの先輩の自慢のある、モンゴル国立大学法学部日本法教育研究センターの第12期の卒業生です。
みなさんは、これから自分なりの人生を歩んでいきます。これからすばらしい将来が待っています。卒業生のみなさんのこれからのご成功とともに、将来のご活躍を心からお祈り申し上げます。
最後にもう1度、ご卒業おめでとうございます。」
ソヨル・エルデネ(修了生による答辞)
「ご来賓のみなさま、修了生のご友人およびご家族のみなさま、モンゴルセンターの教職員のみなさま、後輩のみなさま、こんにちは。本日私たちの修了式にお越しくださり、心よりお礼を申し上げます。
小林大使、アマルサナー先生、すばらしい祝辞ありがとうございました。
私は本日、名古屋大学日本法教育研究センター2022年度修了生を代表し、今までお力をお貸しくださったみなさまに、謝辞を述べるとともに、お別れの言葉を申し上げるという大役を仰せつかりました。光栄の至りと感謝しております。
まず、4年生のテムーレンさん、ツェースレンさん、ありがとうございました。後輩からの励ましの言葉を聞いて、胸がとてもいっぱいになりました。
では最初に、私たちにとっては何よりも、センターの学業生活の上で、一番の主役になった先生方、いつも応援してくださった日本法センターの皆様に、感謝の意を表したく存じます。とは言っても感謝の気持ちは、言葉では言い尽くせないと思っています。また、このようなすばらしい方々に出会える機会を作ってくれた名古屋大学にも感謝を申し上げたいと思っています。私は、日本法センターの最初の授業に出席し、ひらがなを覚え始めたときのことを昨日の出来事のように思い出しています。日本語の文字もわからなかった私たちをN1、2まで教育してくださったり、日本法の知識も与えてくださったりしました。しかし、日本語と日本法だけじゃなくて、コミュニケーションの取り方、効果的な時間管理、失敗の乗り越え方、そして、新しいことを挑戦してみたいという志向、社会人になるための必要なつくりを育ててくれました。この5年間で、数多くの先生方のアドバイスや時には価値のある批判に助けられてきました。先生方は勉強を教えてくれる教師でいながら、困ったときに助けてくれる家族のような存在でもありました。
本日、私たちは誇りある修了生として、この場に立っているのは、先生方のおかげにほかならないと思っています。本日、私たちの人生の一つの素晴らしい旅が終わり、次の旅に出る時間がすぐそこに来ています。これからは、先生方が与えてくださった能力を生かして、この社会に役に立っていきたいと思っています。重ねて感謝しております。
そして、修了生のみなさん、おめでとうございます。みんな、本当に頑張りました。おつかれさまです。5年前に私たちは、一つの目的、夢の下で手をつないでこの旅をはじめました。そのときからもう5年間、本当にあっという間でした。でも、数えきれない思い出を私たちは一緒に作りました。私たちは一緒に頑張ったり、苦労したり、泣いたり、笑ったり、徹夜したり、ときに喧嘩したり、ときに競争したり、ときに協力したりしました。本当に忘れられない思い出をたくさん作りました。もちろん勉強も大切ですが、人生の意味で一番大切なのは思い出を作ることだと私は思います。皆さんと作ったこの5年間の思い出は私の宝物です。これから、みんなそれぞれの人生の道を歩んでいくだろうと思いますが、一緒に作った思い出を心の奥に、一所に問題を乗り越えていった瞬間を思い出しながら、新しい旅と新しい未来を楽しんでください。もちろんこれからも多くの困難にぶつかると思いますが、今まで頑張ってきた皆さんの姿を見た私は、『みんなならきっとできるはずです』と自信を持って言えます。
最期に、後輩のみなさん、私たちが日本法センターに入るとき、先輩方がすでに『日本法センターの学生は優秀だ』という良いイメージを作ってくれていました。その名誉を守るために、先輩方のように優秀でいたいという思いはときにやる気を与えてくれました。また、行き詰ったときは先輩方に相談し、その教えを支えにしていただいています。修了しても、同じ日本法センター出身という絆を大事にして、日本法センターから受けた恩を後輩のみなさんに少しでも返せたらいいなと思っています。私たちも先輩方のように優秀な社会人でいるために頑張りますから、みなさんも引き続き頑張ってください。
最後にもう1度、一緒に頑張ってきたクラスのみなさん、いつもご指導してくださった先生方、お世話になったビャンバさん、ご来賓の皆様、両親や家族のみんな、心から感謝を申し上げます。これからもみなさまの信頼を失うことなく、一生懸命頑張っていきます。有難うございました。」