センターだより
CJLC同窓会主催「キャリアトーク」
2020/10/12
2020年10月10日(土)、CJLCの同窓会メンバーである修了生たちが、後輩たちのために「キャリアトーク」という会を開いてくれました。
カンボジアの大学生は、日本の大学生とは違い、「卒業してすぐに就職する」のが普通ではありません。自分が留学したいのか、仕事をしたいのか、どんな仕事をしたいのか、卒業してから時間をかけて考える人も、少なくありません。「新卒で就職できなかったら、その後の人生が終わりだ」くらいの切迫感のある日本社会から見たら、随分とのんびりしていますが、それは決して悪いことではないと思います(筆者の個人的意見です)。しかし、修了生の中には「もっと、キャリアについての知識や情報が欲しかった」と思った人もいるようです。そのため、土曜日の午後、修了生の先輩たちが、後輩(主に4年生)に向けて、キャリアについて考えるチャンスを作ってくれました。
オンラインで、2、3年生も参加しました。
留学経験のある人、弁護士になった人、民間企業に就職した人、公務員になった人、いろいろな職種の先輩たちが集まってくれました。この場をきっかけに、先輩、後輩のつながりがさらに強くなるのはとても嬉しいことです。同窓会の皆さん、忙しい中、そして雨もすごかったですが、集まってくれて、本当にありがとうございました。後輩たちも、先輩たちのアドバイスを胸に、目の前の宿題や試験のことだけではなく、少し先の、自分の将来についても是非目を向けてほしいと思います。
(執筆担当:レイン幸代[日本語教育主任])
ソチェターさんの特別講義(2020年5月25日)
2020/08/01
2か月ほど前の話題になりますが、修了生による特別講義について、紹介いたします。
2020年5月25日、クンティアー・スレイソチェターさん(3期修了生)による、4年生3年生向けの特別講義が実施されました。
ソチェターさんは、「国費留学制度」(文部科学省が在カンボジア日本国大使館を通じて実施する留学制度のこと、通称MEXT)を利用して、2018年3月から2年間、東京大学大学院法学政治学研究科に留学して、この3月に修士号を見事取得しました。
専攻は民法です。
ソチェターさんは、研究生時代のことを含めて、日本語と法学のそれぞれの勉強方法、研究生活の状況について、自身の経験をわかりやすく話をしてくれました。
とりわけ、「当初の研究テーマが、最終的な修士論文の完成に至る過程において、どのように変化したのか」、「資料収集の苦労」、「研究の面白さ」などは、学生たちのみならず、学生を指導する教員にとって、大変示唆に富むものでした。
また、ソチェターさんは、4年生や3年生たちに対して、「ケーキを美味しく作りたいときに、まずケーキを味わう」、すなわち、「優秀な論文をよく読む」という素晴らしいアドバイスをしてくれました。
ソチェターさん、本当にありがとうございました。
今後のご活躍を祈念しております。
2年生、3年生も修了しました!
2020/07/27
4年生の修了式(卒業式)が行われる前、同じ日、2020年7月23日に、2年生と3年生の修了式も行われました。こちらは完全オンラインです。
まずは最初に、2年生(11期生)。6名が修了しました。11期生を代表して、レアクスメイさん(画面向かって右側の、上から2番目の人)がスピーチをしてくれました。1年間で、クラスメートとの関係が深まかったこと、これからも一緒に頑張ろうという、短い時間で書いたとは思えないほど、立派なスピーチでした。
次に、3年生(10期生)。こちらも6名が修了しました。10期生を代表して、ヴィヴァットさん(画面向かって右側の一番上の眼鏡をかけた人)がスピーチをしてくれました。「七夕に私がお願いしたから、皆さんが修了したわけではありません。みんなの努力の結果です」。はい、もちろん、その通りです。
1年生(12期生)は、勉強を開始した時期が違うので、修了式はもう少し先です。
オンラインになったからといって、学力の面で何か大きな影響があったとは思わない、というのが教師一同の感想です。むしろ、大学の授業時間や通学にかける時間が短くなったことで、CJLの勉強がもっとできるようになった、という話も、学生からはありました。
一方で、今後考えていかなければならないこともあります。それは、「学生同士の関係づくり」です。CJLは、横(同級生)の結束力も強いですが、縦(先輩・後輩)のつながりも、非常に重要です。これまでは、図書室で一緒に勉強したり、イベントへの参加などを通じて、自然に、そのつながりが生まれていました。しかし今年はそれが難しく、特に1年生は、2019年12月中旬にCJLに入学してから約2ヶ月でオンライン授業に切り替わり、横のつながり自体も作ることができていないままである可能性があります。
そのため、今教師としてできることは、学生同士がつながる「場」を作ることではないかと考えています。勉強とは関係なく、集まって、おしゃべりがしやすい「場」を定期的に、継続的に、提供していくことが、今後の課題です。
カンボジアでもオンライン授業が今後も続くのかどうか、先行きは全く不透明です。しかし、今からできることを少しずつ実践していきたいと思います。どなたか、「カンボジアの大学生とおしゃべりしたい!」という人がいましたら、ぜひお知らせください。
(文責 レイン幸代[日本語教育担当])
9期生卒業式(修了式)
2020/07/24
2020年7月23日(木)CJLC9期生の修了式が行われました。
3月から始まった教育機関の閉鎖以降、CJLは授業を全てオンラインに切り替えました。未曾有の経験の中、1日たりとも学びが止まることがなかったのは、学生たちの努力があったからこそです。田舎に戻ってそこから毎日授業に参加したり、家が停電になって、途中でオンライン授業が受けられなくなったり、インターネットの状態が悪かったり、いろいろありましたが、全員が学び続けました。
カンボジアは現在、学校での対面授業は再開されていません。しかし、修了式はせめて対面でと考え、大学に相談したところ、「15名以下なら」という条件付きで、毎年修了式を行なっている大学内のホールで実施することになりました。
修了生は6名、教員は5名、大学から1名、カメラマンやお手伝いの学生3名、15名ぴったりで式は行われました。その他の方は、オンラインや動画で参加してくださいました。パソコン2台、タブレット端末1台を駆使して、日本各地と繋げます。
王立法律経済大学からは、ルイ・チャンナー副学長の代理として、スウン・ソーポアン副学長がご参加くださいました。
名古屋からは、名古屋大学大学院法学研究科長の増田知子教授、CALEセンター長の藤本亮教授、日本に帰国中のCJL常勤講師(日本語)の金村マミ先生が、祝日にも関わらずご参加くださいました。
在カンボジア日本大使館からは、駐カンボジア特命全権大使の三上正裕様からご祝辞を頂戴しました。お祝いのスピーチを動画で送ってくださいました。
修了する9期生を代表して、ポーン・ウィミエンボパーさんがスピーチをしてくれました。「CJLの大変さは、CJLの学生しかわかりません」確かに、その通り。しかし、その大変さを乗り越えて、今日の式に参加ができました。
最後に、全員で集合写真。
9期生の皆さん、本当におめでとう!皆さんの未来が輝かしいものになることを、教員一同、心より祈っています。
なお、写真は全て11期生(新3年生)のスレン・メンツェアンさんが撮影してくれました。どうもありがとうございました。
(文責 レイン幸代[日本語教育主任])
オンライン授業に関するアンケートの結果
2020/06/05
2020年の3月中旬から始まった、オンライン授業。6月5日現在も、絶讃続行中です。日本でよく聞く「参加者全員画面真っ黒」ということはなく、毎日学生の元気な顔を見ながら、授業をしています。
オンライン授業に、学生も教師も少し慣れた5月の半ばに、アンケートを実施しました(Googleフォーム使用)。その結果を、一部紹介したいと思います。
(あ)インターネットの問題
オンライン授業に関する不満として、ダントツだったのは、インターネットの問題です(授業に対する不満が一番ではなくて、少しホッとしました…)。学生の6割が、自宅にWi-Fiが引かれていて、その他はスマートフォンを使ったテザリングで、インターネットに接続しているようですが、多くの人が「声が聞こえにくい」「画面が止まる」などインターネットの速度にストレスを感じていることがわかりました。
(い)ツールや設備の問題
CJLCは、オンライン授業でzoomを使用しています。ノート・パソコン、タブレット端末で参加している学生と、スマートフォンで参加している学生が半々くらいでした。そして、学生全体のうち、スマートフォンのみでオンライン授業に参加している学生が2割程度いることがわかりました。「パソコンを買いたい」「タブレットを買いたい」などのコメントも見られました。また、プリンターを持っている学生は、全体の1割程度に過ぎませんでした。しかし、学生の約8割は「大切だと思う資料は印刷する」と、各自が判断して行っていることが伺えました。
(う)オンライン授業のメリット、デメリット
コメントの中に、オンライン授業にメリットを感じている者も少なくありませんでした。その多くは、「通学時間の短縮」を挙げていました。プノンペンはそんなに大きな街ではありませんが、近年は交通事情が悪く、時間帯によっては渋滞などで本来なら20分程度で行ける場所も、1時間以上かかることもあります。オンライン授業はそのような不便さを軽減してくれているようです。また、対面で会うことがなくなった代わりに、様々なツールを使って教師と学生がコミュニケーションをとるように心がけているため、以前よりもコミュニケーションしやすくなったというコメントも見られました。
一方で、もちろんデメリットも感じているようです。多くは、やはり「インターネットの問題」を挙げていました。それ以外には、自宅にいると勉強に集中できない、家族に用事を頼まれる、周りがうるさい、画面を見続けることで健康面に影響が出る、などといったコメントが見られました。
以上のような結果を受け、以下のようなことを考えました(あくまでも筆者[日本語教師]個人の考えです)。
(あ)については、もしかしたら「画面の顔出し」をやめれば問題は解決するのかもしれません。もしそうならば、こちらからは学生が理解したかどうかを顔を見て確認するということができませんし、何よりちょっと寂しい…でも、それも慣れの問題なのでしょう。顔を見なくても、学生の理解度が測れるような問いかけやタスクを行うなど、教師としてできることはあるはずです。
(い)は、学生の経済的事情にもよりますので、むやみに「あれを買いなさい」「これを買いなさい」と言うことはできません。しかし、スマートフォンだけで授業に参加している学生に対しては、もしCJLで勉強を続ける場合、ある程度の設備投資は必要であることを、どこかで話す必要があると思います。また、これまでは授業の資料は教師が印刷して渡すことが多かったのですが、オンライン授業となり、資料はデータでのやり取りが中心と変化しました。しかし、これまでの学習習慣から、紙の資料が欲しいと考える学生は多いようです。その場合、プリンターが自宅になかったら、近くの印刷屋に行って印刷をするしかありませんが、毎回の授業を全て印刷することはおそらく難しいでしょう。学生は、これからオンライン授業に合った、新しい学習習慣(例えば、授業中にノートをとるなど)を身につける必要がありますし、それを教師がアドバイスする必要があると感じました。
今回のアンケートでは、学生自身の学習方法や、それに対する自己評価などを聞く質問がありませんでした。また、授業全体に対する満足度は聞いても、それぞれの授業のことについて細かく聞きませんでした。これは次回のアンケートで、ぜひ聞いてみたいと思います(「今後の課題」というヤツですね)。
以上、オンライン授業に関するアンケートの結果の一部と、それに対する筆者の個人的考察を紹介しました。オンライン授業がいつまで続くか、先はまったく読めませんが、学生も教師も、この状況で最善のことをし続けたいと思います。そして、この状況が終わった「後のこと」も、そろそろ考える時期かもしれませんね。

















