センターだより

2022年度カンボジアセンター総まとめ②

2023/05/09

2022年度下半期のCJLカンボジアセンターの様子についてご報告いたします。

上半期の様子はこちら(別窓で開きます)

さて、下半期も様々な分野の皆様にご協力いただき、センターを運営してまいりました。

①対面書道講座
上半期の総まとめでもお伝えしましたが、Covid-19以前はセンターで年2回、伊藤吟雪先生と奥様である悠紀子さんに書道講座を開催していただいておりました。しかし昨今の事情により渡航は難しいこともあり、ここ2回はオンラインによる書道講座という形をとっていました。
そしてこの下半期に、待ちに待った対面での書道講座が再開されました。

待ちに待った対面での講座です。やはりオンラインでは難しかった部分も、対面ですとさくさく進みます。

学生たちは終始楽しそうに受講し、自分たちが書いた作品にとても満足した様子でした。伊藤先生、奥様、ありがとうございました。

②ICD(法務省法務総合研究所国際協力部)の皆様ご訪問
日本から法務省法務総合研究所国際協力部の皆様が本センターをご訪問され、授業・施設見学、また学生との意見交換を行われました。
現在本センターは、Covid-19の影響によりほぼ1、2年生のみが稼働している状態です。
そこで、1年生の授業を見学していただき、2年生との意見交換となりました。
とはいえ2年生はまだ法学に関する自由な意見交換ができるほど日本語が流暢とは言えません。そこで通訳人の方が同行されましたが、こちらはなんと本センター修了生。
カンボジアセンターが始まって15年。様々な場面で修了生に出会う機会が増えてきています。

2年生は、ICDの皆様との意見交換に最初は緊張していましたが、クメール語の補助があるとわかって安心して発言できていたようです。特に、日本法について様々な質問が次から次へと出てきて、止まらないようでした。
1、2年後には、彼らが今回クメール語で発言した内容も、日本語で説明できるようになれるよう頑張らなければなりません。
学生も日本語の未熟さを痛感しながらも、日本法への興味がより一層強まった様子で、今後の学習により身が入りそうです。
皆様ありがとうございました。

③中央大学の学生さんとの交流会
中央大学法学部学生の皆さんと、本センターの学生が交流会を行いました。対面での交流会に先立って、まずオンラインで挨拶を兼ねたアイスブレイク活動を行い、また対面後にもオンラインでの発表会に参加いたしました。計3回、およそ2カ月にわたる交流です。
センターの学生にとって同世代の日本人と交流する機会自体多くありませんが、同じ専門ともなれば一層希少な機会と言えます。
最初はお互いに緊張している様子でしたが、徐々に打ち解け、楽しく交流できていたようです。
本センターの学生が是非皆さんを案内したいということで、王宮周辺からリバーサイドにかけて一緒に歩くプチ活動も行いました。
中央大学の皆さん、ありがとうございました。本センター学生との交流が、カンボジアでの楽しい思い出の一つになっていましたら幸いです。(※写真につきましては、控えさせていただきます)

【執筆担当:佐藤 怜奈(日本語教育担当)】

2022年度カンボジアセンター総まとめ①

2023/04/10

2022年度CJLカンボジアセンターについてご報告いたします。
昨年度も様々な分野の皆様からご協力をいただきました。
まずは上半期の様子についてまとめたいと思います。

①「日本法授業」特別講義
センター4年生のカリキュラムに「日本法授業」があります。
2022年度の日本法授業は、一部オムニバス形式で行われました。

5月には在カンボジア日本国大使館の髙橋様、6月にはカンボジア司法省アドバイザーの坂野様にご講義いただき、その他にもカンボジアの法曹機関で活躍している、あるいは日本で勉学に励んでいる先輩たちも講義に参加してくれました。

髙橋様からは「日本の保護観察制度」について、坂野様からは「家族法と身分登録関連の法制度」についてご講義いただきましたが、学生にとっても非常に興味をひかれる分野であり、授業後には質問したいことが次々に出てきている様子でした。
オムニバス授業にご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。

②加田法務大臣政務官ご訪問
2022年7月には加田裕之法務大臣政務官がセンターを視察され、学生との座談会が行われました。

学生たちは最初は非常に緊張していましたが、最後はリラックスした様子で、日本や法学分野について様々な質問ができるようになっていました。同席されていた王立法経大学のルイ・チャンナー学長も、加田法務大臣政務官のご視察に非常に感謝され、また学生にも大きな期待を持って接しておられました。
彼らは現在、全員大学院進学や1年間の長期研修で日本滞在中です。法学の勉強に励むのはもちろんですが、座談会で伺った日本の文化やおすすめを実際に体験して楽しんでいるようです。
学生にとって非常に貴重な機会をいただけたこと、感謝申し上げます。

③2度目のオンライン書道講座
Covid-19以前は年2回、書家の伊藤吟雪先生と奥様の悠紀子さんがカンボジアに来てくださり、センターの学生に書道講座を開いてくださっていました。しかし昨今の事情からそれがかなわず、2022年1月に初めてオンラインで書道講座を行ってくださいました。

初めてのオンライン書道講座の様子はこちら(別窓で開きます)
初めてのオンライン書道講座

2022年7月もまた、オンラインでの書道講座となりました。とはいえ2回目ともなれば多少は勝手がわかってくるものです。前回よりはスムーズに進行できたのではないでしょうか。

ただ慣れてきたとはいえ、伊藤先生も学生もオンラインの限界といった歯がゆい場面があったと思います。次回こそ対面での書道講座が実現できたら……とお話しつつ、無事終了することができました。
学生たちは納得できる作品が書けたようで、とても満足そうでした。ありがとうございました。
次回は2022年度下半期の様子をお伝えしたいと思います。

【執筆担当:佐藤 怜奈(日本語教育担当)】

第24回カンボジア日本語スピーチコンテスト

2022/06/02

2022年5月22日(日)、第24回カンボジア日本語スピーチコンテストが開催されました。

カンボジアでは現在、屋外でのマスク着用義務が撤廃されています(密閉された屋内では引き続き推奨されますが)。また政府発表によれば、5月8日からコロナウィルスの新規感染者は0人を記録し続けていることなど、社会全体が昨年度とは大きく変化してきています。

そんな中カンボジア日本語スピーチコンテストは、大きな盛り上がりを見せました。カンボジア中の学生が参加するこのコンテストは、毎年多くの学生が日本語の知識や才能を磨き発揮する場とあって、非常に注目度の高いコンテストです。特に本年度は3年ぶりに会場での開催とあって、多くの学生や日本語教育関係機関がCJCC Angkor KIZUNA Hallに集まりました。

CJLからは11期生(現在4年生)のリターさん、チャンラットさんが出場しました。

スピーチコンテストでは、まず学生が自分で考えたテーマについてスピーチを行い、その後質疑応答が待っています。

リターさんは「自分の物差し」というタイトルで、自分の周囲にある偏見や悪い価値観について紹介し、プノンペンに来てからそのような状態から解放されたこと、また自分自身の価値観を育てていくことの重要性についてスピーチを行いました。

チャンラットさんは「災い転じて・・・」と題し、コロナ禍でオンライン授業が整備されてきたことのメリット、そこで初めて参加することのできたプログラム等の話を通じて、今後コロナが終息した際にも全てが元に戻るのではなく、オンライン授業のような良い制度については残していくべきであることをスピーチしました。

この日を迎えるまでに、2人もスピーチの原稿の作成に悩み、その後暗記に苦しみ、さらに想定される質疑内容についても自分で考えては(もちろん教員もたくさん付け加えていますので大変ですね)練習を重ね、悪戦苦闘しながらたくさん練習をしてきました。2人の頑張りで、練習のたびにどんどん良くなっていきました。その努力と成長が本当に素晴らしいと思います。

結果はリターさん2位、チャンラットさん3位というダブル受賞を果たしました!

応援にきてくれた11期生たちとも笑顔で終わることができました。
カンボジアセンターにとっても非常にうれしいニュースです。リターさん、チャンラットさんおめでとうございました!

スピーチコンテストの様子は、開催機関であるCJCCのFacebookページにもたくさん載せてくださっています。是非以下のリンクより併せてご覧ください。

コンテスト全体の様子はこちらから(別窓で開きます)
受賞者の様子はこちらから(別窓で開きます)

【執筆担当:佐藤 怜奈(日本語教育担当)】

名桜大学によるオンライン発表会参加(3年生)

2022/01/20

昨年の11月11日にオンライン交流をした際には、CJLC3年生が発表を行いました。2022年1月20日(木)、その時に参加してくれた名桜大学の学生の皆さんが、「個の文化」「やさしい日本語」という視点に基づいた、日本の文化事情発表をおこなってくれました。残念ながら、CJLCの学生は、大学の授業の関係で全員が参加できませんでしたが、名桜大学の皆さんは、発表動画を事前に作成してくれて、padletで共有し、参加できない学生も事前に観られるようにしてくれました。今日は、その動画を観た上での、質疑応答を中心に進められました。

発表前には、名桜大学の学生さんが、CJLCの学生にインタビューをし、カンボジアの学生が何に興味を持っているのかをリサーチし、それに基づいて発表テーマを決めてくれたようです。アニメ、恋愛事情、沖縄のこと、日本の観光地、お正月、着物、日本のお祭りなど、いろいろなテーマがありました。筆者も今日の発表会に参加しましたが、個人的に面白かったのは、質疑応答で質問をすると、さらにたくさんの「個」が出てくることです。みなさん、沖縄のことが当たり前すぎて気付きにくいのかもしれませんが、学校の音楽の授業で三線を習う時間があることや、成人式とは別に13歳の時に子どもの成長を祝う習慣があることなど、日本人の筆者も知らない、たくさんの学びがありました。「日本」という大きな視点でなく、自分自身の身近なことも「文化」であり、それを相手に伝えることが、一番興味深いということを、この授業を通して学べるのだなぁと思いました。

名桜大学と CJLCの一連の交流は、今日が一区切りです。授業編成などの関係で、今後も同じような交流が続けられるかどうかは、まだ分かりませんが、できる形で、また交流ができると嬉しく思います。

名桜大学の学生の皆さん、当銘先生、本当にありがとうございました。

 

執筆者:レイン幸代(日本語教育担当)

 

初めてのオンライン書道講座

2022/01/19

年に2回、書家の伊藤吟雪先生と奥様の悠紀子さんがカンボジアに来てくださり、CJLCの学生に書道を教えてくださっていましたが、この2年間はそれが叶いませんでした。昨年、「オンラインでやってみましょう!」と盛り上がっていたのですが、プノンペンがロックダウン、学生たちが大学に入ることができなくなり、実施には至りませんでした。

昨年の11月から、少人数の外国語のコースの授業は対面で行ってもいいという許可が出て、いよいよオンライン書道講座を実現させる時が来ました。そして2022年1月19日(水)、CJLC1年生と、3、4年生に対して、オンライン書道講座を実施していただきました。

テレビ画面には、中央が伊藤先生、右側に悠紀子さん。助っ人として、名古屋に留学し、現在は通訳として働いているCJLC6期生のチャンディーさんが、参加してくれました。

最初は、筆の練習から。

その後、お手本を見ながら、書いてみます。このお手本も、伊藤先生が一枚一枚、学生の名前を書いてくださり、航空便で送ってくださったものです。

カンボジア側は、スマートフォンで一人一人写しながら、先生にアドバイスをいただきました。

先生の方も、パソコンとタブレットの2つを使いながら、止めや払い、字の形などを丁寧に指導してくださいました。

午後は、3、4年生が合同。こちらのお手本は、事前に学生が書きたい言葉を先生に伝え、やはり先生自らが書いてくださいました。みんな難しい言葉を選んでいます。さすが、上級生。

最後には色紙に書きました。

作品を持って、記念撮影(そのために、おしゃべりなしでマスクを取りました)。

途中、こちらのインターネットの問題で途切れたこともありました。実際に先生とお会いして、指導していただく方がもちろんいいと思います。しかしそれができない今、できる形でやってほしいというこちらの要望をご快諾してくださった伊藤先生、悠紀子さん、そして手伝ってくれたチャンディーさん、ほんとうにありがとうございました!

でも次回は、カンボジアにいらしていただける状況であることを祈ります。

 

執筆者:レイン幸代(日本語教育主任)

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